『Gloria in excelsis deo』 黒巣市A.D.2026−Act III
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 Ending Phase-03 「未来」
 ScenePlayer:“笑う道化師” 時非 未来/場所:事務所/時刻:後日/登場:−−

GM: スラムの事務所に、ポツポツ、カンカン、と
GM: リズミカルに小気味よく鳴り響く、雨漏りとその受け皿たる缶の立てる音。
未来: あの水に糖分が含まれていればいいのに。今までに、何度そう思っただろうか。
GM: ソファを陣取って、呆れたように尻尾を振りながら不貞寝する灰色の猫。
深奈: 「……オマエもー信じられんわぁ」
GM: 大きな欠伸と深いため息を、器用にも同時に行う。
未来: 「器用なー、お前も…」 その様を見つつ、呆れたように感心したように。ぎゅるー。腹の虫が盛大に暴れおる
深奈: 「せっかく優勝したっていうのに、何やアレ」
未来: 「っせーなー、ムカつくじゃんよ上から物見た言い方とか」
深奈: 「後からVTR(ブイ)見て、呆れたを通り越して怒り狂ったわ…いや、逆か?」
未来: 「取り敢えず俺は、殺されるかと思った」 鬼神っているんだな、と。呟き
深奈 「主催者代理が『何でも構わない、叶えたい望みを言い給え』ってゆーてるのに、オマエときたら――」 ※3


 『あー…。イラネ』


深奈: 「――って、何事じゃああああああ!!!!」
未来: 「お前、物まね上手いなぁ」 うわー、と怒り狂うにゃんこから退避。
未来: 触らぬぬこに祟りなし。いや、もう触りまくってる気がするが。
深奈: 「何でも話によりゃあ、死んだ奴だって生き返らせるとか、黒巣から出るとか」
深奈: 「大金もらってウハウハとか何でも望みが叶うってゆーのに」
GM: ぜいはあと、荒れた呼吸を整えて。
未来: 「あー、んな事も言ってたなぁ」 数日前を懐かしむ様に。
深奈: 「…それとも…仇討ち終わって気が済んだのか?」
未来: 「…気が済んだ、ってかなぁ」 ぽり、後ろ頭掻き。
未来: 「意味、なくねぇ?」
深奈: 「?」
深奈: 「………アタシにゃわかんねーな」
未来: 「死んだ人間は生き返らないんだぜ。良くも悪くも…まー、良い事なんざ欠片もなかったけどよ」
未来: 「それでも、“今の俺”はあの事があったからあるんだよ」
未来: 「それを帳消しにしちゃ、意味がねぇし」 死者の蘇らせる事を選ばなかった理由。 ※4
深奈: 「……………そか」ぽつ、と。
深奈: 「まあ、何だな」未来を見て。
未来: 「使い切れねぇ金なんざ、それこそ誰かに貰ってどうすんよ」
未来: 「少しずつ溜めてって、それで金持ちになるwktkは俺のモンだぜ?」
未来: 「そんな楽しみを奪われるのって勿体ネェじゃんよ」
深奈: 「良く言った、それでこそ時非未来だ。とりあえず――」
未来: 「ハッハッハ、そう褒めるな」 アレ、なんだろうこのちょっと嫌な予感。 
深奈: 「情報料は耳揃えて払えよな。ビタ一文まからねぇぜ」うりうりと(何)
未来: 「ほら、優勝賞金で支払いだった訳だし、賞金は0だから0でいいんじゃないでしょうかってか」
未来: 「そんな払う金あったら今俺は空腹に喘いでネェ!」(何)
深奈: 「あー、ソファ硬くて眠れやしねぇ。とっとと仕事して張り替えろよなー」聞く耳持たないモード。
未来: 「この間スプリング変えたぜー?」 車のに。
深奈: 「規定料金きっちり払ってもらうまで、居座るかンな」ごろりんちょ。
未来: 「そんな、まるで俺が払えるみたいな言い方を」(何)
深奈: 「あの道化師が笑いを通り越して泣くぜ」
GM: 窓に飾った一体の人形をちらりと横目に、ふわーぁあと、大きな欠伸を一つ。
未来: 「真っ赤な血の涙〜ってか」 看板代わりの人形に視線を遣り、苦笑を漏らし。
GM: 雨漏りの音は相変わらず煩く、窓の外には白い霧、そして雨。

 ――この街に住む人間は、みんな鎖で縛られている。
 しかし、それが自由でないなどと誰が決めた?
 鎖で縛られていようと、例え端から見てそれがどれだけ無様だろうと。
 舞台で“踊る”役者には関係ない。
 外野の目なんざ気にするな。各自各々、必死で踊れ。それがどんなに無様でも。
 鎖で縛られているのなら、解けばいい。解けないならぶち壊せ。
 人間、やろうと思えばなんだって出来るんだ。
 手を伸ばせば、空にだって手が届くだろう。
 例え、どんなに窮屈だろうと。
 ――“自由”は、そう。それこそ、何処にだってあるんだから。

GM: ぴくり。灰色猫のヒゲが動く。
GM: ソファからひらりと飛び降りて、窓へと向かう。
未来: 「お、どした。諦めて帰るんか?」 雨だってのに物好きな。
GM: 白い霧の中にうっすらと浮かぶ人影。近づいてくる。
深奈: 「――客だ、戦闘準備だ! 逃がすなよ、他に取られるなよ、捕まえておけよ!!」
GM: 借金を返すため――明日の糧を得るために。
未来: 「それ以上に物好きな人間のお出まし、か」 人影が目に入り。 自分で言うな。
未来: 「そんな気張らなくても、こんなひなびた場所に他の奴は店持たねえよ」(何)

 建て付けの悪い扉を叩く音、久し振りの訪問者。

 「――毎度、信頼と実績と力尽くが自慢の当方、“笑う道化師”時非未来の事務所へよーこそ」
 「今回は、どんな御用向きで?」

 「…………実は――」



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 DOUBLE+CROSS THE 2nd EDITION
「『Gloria in excelsis deo』黒巣市A.D.2026−Act III」