『Gloria in excelsis deo』 黒巣市A.D.2026−Act III
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 Ending Phase-05 「Going home」
 ScenePlayer:“金色の獣” 佐伯 詩架/場所:道場/時刻:後日/登場:不可

GM: 意識を失った後、目が覚めた場所はUGNの医療室だった。
GM: 支部長、そしてバトルロイヤルに参加した二人。
GM: ごく一部のみが、“情報”が漏れないよう隔離された部屋にて事情を聴いた。
“凡犬支部長”: 「――ともあれ、お疲れ様でした」
“凡犬支部長”: 「その“石”は“上”にも内密にしておきますが、念のため定期的に支部に足労願います」 ※11
詩架: 「解りました。其れくらいなら、別に困ることも無いと思いますし」
“凡犬支部長”: 「矢作修が誰にも明かさなかったように。その石は“いわくある存在”ですから」
詩架: 「いわくがあろうとなかろうと。私は単に私が信じたことをしただけです」
詩架: 「後味が悪いことだけは避けろって言うのが、お師匠様の教えだから」
詩架: 「後味悪いのだけはやりたくなかった、それだけ」
詩架: 「其れがどう動いて、結果どうなったか、」
詩架: 「自分が多少不自由でも、後味悪くなかったら、其れはやり遂げただけのものを得るでしょ?」
“栄光の手”: 「……違いない」
GM: 詩架の弁に心当たりでもあるのだろうか。長身壮年の男がぽつりと漏らす。
“凡犬支部長”: 「信じたその結果が良きものとなるよう、私達も尽力させていただきます」
GM: そう言って深く頭を下げ、傍らに控えている青年に目配せをした。
“天雷”: 「それじゃあ、近くまで送るよ」
詩架: 「有難う。出来れば一緒にお師匠様に頭下げてくれると助かるけど」 ※12
“天雷”: 「倒した敵方チームに、それを求めるのは酷ってものじゃないかい?」
GM: 長い前髪を払い除けながら、軽く笑う。
詩架: 「こんな危険なもの4年も放置してた罰だと思えば、軽いものじゃないかしら」くすくすと笑って
“凡犬支部長”: 「………“誰も気づけなかった”んですよ」
GM: 顔を強張らせて、支部長が呟く。
“栄光の手”: 「…………草野が謝りたくないならば、俺が同伴しよう」
GM: 張り詰めた空気を解すように、申し出て
“天雷”: 「…いや、いいよ。私が」
詩架: 「仕方ないか。結果的に『結果オーライ』」
詩架: 「……UGNにはお世話になったからなにかあれば声を掛けてくれてもいいわ」
詩架: 「出来る範囲内でやることはやるから。もちろんタダって訳じゃないけど」
“凡犬支部長”: 「その時には、正規の報酬を用意してお待ちしていますよ」
GM: 笑みを戻して、小さく手を上げる。
GM: “天雷”は肩を竦めて扉へと向かい、振り返る。
“天雷”: 「謝るなら早いほうがいいらしいね。じゃあ急ごうか」
詩架: 「ええ。多分走り込み300週が半分になる程度で済めば良いと思うけど」くすくす
“天雷”: 「厳しいね」笑って応えた。

 バトルロイヤルに参加して、数日経った道場。
 時間的に門下生もおらず、閑静とした佇まいにある。

詩架: 「……た……ただいま……」恐る恐ると門徒を開けて中に入る
GM: 門戸を開いて帰宅の第一声を放ったところで、内戸が、がららららっと勢いよく開く。
秋生: 「詩架さん!」
詩架: 一瞬固まったあと、そのまま引きつった笑顔で
GM: 普段は穏やかなはずの師匠が、険しい顔で見つめる。
詩架: 「た、ただいま、お師匠様……」
秋生: 「こちらへ来なさい」そのままの表情で、静かに告げる。
詩架: 「……」おずおず、と前に出ていく。観念したらしい
GM: 近づいた詩架の肩を、ぽんと叩いて。
GM: ぎゅっと、抱きしめる。
秋生: 「………おかえりなさい、詩架さん」
詩架: 「れ、れれ? あー……えと……―---はい。お師匠様」はじめ慌てて……暫らくしてこくんと頷いて応える
GM: “存在”を確認して、ようやく安堵し。いつもの柔らかな声、義父としての声で。
GM: 慌てた様子を見て、くすりと笑う。
秋生: 「僕は“帰ってきなさい”と言い、詩架さんは約束を守った。…帰宅の遅さに怒るとでも思ったかな?」
詩架: 「ええ、まぁ………それからええっと。報告です。―――勝ちはしました」ばつが悪そうに
詩架: 「勝ちはしたのですが……UGNのお世話になりそうです。いろいろありまして」目が泳ぐ。
秋生: 「うん」
詩架: 「どうやら、ある意味、お師匠様と同じ道を行きそうです。私。……怒りません?」
秋生: 「健闘は門下生達の話を聞いたから知っているよ」
秋生: 「…“いろいろ”の内容は、詳しくは教えたくないものなのかな?」
詩架: 「私”だけ”の問題じゃないですから。中の人に聞かないことには」目逸して
詩架: 「なので。ちょっと内緒ってことにして置いてください」
GM: ふぅ、と息を吐いて。
秋生: 「そろそろ秘密の一つや二つができる年齢になったんだね。話したくなる時まで、ゆっくり待つことにするよ」
詩架: 「ご理解いただければ幸いです」こくこく
秋生: 「今は秘密でも構わない」
秋生: 「“二人”で育んで、共に生きていく決心ができたならば――その時は真っ先に僕に紹介しなさい」 ※13
GM: 目頭を押さえて、くるりと背を向けた。
詩架: 「……(あれ?)」
GM: そうか、そうか、ついに……と背中越しに呟く声。
詩架: 「あのお師匠様?」ぉーぃ
“天雷”: 「……………………」
詩架: 思わず助けを求めて背後にいる人物に視線を投げる
“天雷”: 「…………」何が何だか、といった困惑の視線を返す(何)
詩架: 「……面白いからそのままにして置きましょう」溜息をついて視線を投げた相手に目を向ける
GM: 師匠――葛貫秋生は、感極まって奥座敷へと。
詩架: 「なんか怒られないみたいだし、上がって茶でも飲む?」
“天雷”: 「……いや、遠慮するよ」

GM: 詩架の持つ漆黒の石が、どこか不愉快そうに身を震わせた。

 抱えてゆく“秘密”――賢者の石。
 何人もの手を渡り、強大な力と意志を持つと言われるこの石が、今は何を自分にもたらすのかは分からない。
 過去も未来も、未だ晴れぬ霧のように
 それでも、これからも共に在るのかもしれない。



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 DOUBLE+CROSS THE 2nd EDITION
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