『Gloria in excelsis deo』 黒巣市A.D.2026−Act III
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 Master Scene 「変わる刻」
 ScenePlayer:−−/場所:黒巣市内/時刻:12 years ago/登場:不可

 12年前。
 街に投下された爆弾が、多数のジャームを駆逐すると同時に
 かつての黒巣市の町並みをも崩壊させた。
 近隣地域は封鎖され、隔離されたこの地は
 ある意味で、“鎖”を持つ者達にとっての流刑地となった。


 内から外へ、そして外から内へと
 二度と戻れぬと諦めかけていた地を、ひたひたと歩く。

 懐かしいはずの町、見慣れぬ風景の中を、再び。
 奪われた時の裡に故郷が異郷と成り果ててしまっても
 ひたひたと、その地を歩き続けた。

 比較的損壊の程度が低い住宅エリア。一軒の家の前で彼は足を止めた。
 苔むした塀に刻まれた疵には見覚えがあり、
 玄関先には小さな赤い靴。

 「――…――か…」

 風化しかけていた彼の心が過去を取り戻し、暗く沈んだ眼に光が宿る。
 記憶に誘われるまま、彼は戸口へと向かった。



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 DOUBLE+CROSS THE 2nd EDITION
「『Gloria in excelsis deo』黒巣市A.D.2026−Act III」