『Gloria in excelsis deo』 黒巣市A.D.2026−Act III
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 Middle Phase-13 「御前」
 ScenePlayer:“牙狼の王” 久継 駆穂/場所:クロスタワー某所/時刻:p.m.11:20〜/登場:不可

 登場Dice 駆穂: 1d10=(6)=6+71=77

 呼吸のような数回のうねりと鳴動を繰り返して、再びフロア全体が静かになった。
 うっすらと霧の霞む室内に、男は佇んだままでいた。

 呼称「ダブルオー・ジー」。正式名称「霊子砲−零式」。
 放出されるレネゲイドを吸収し、熱や光ならぬ純エネルギーに転換、発射する装置。
 現代科学とそれ以外の技術によって作成されたものである――と
 キミに在るレネゲイド集合体が告げた。

 あの鉄塔の中からキミを呼んだ声――“核”たる存在。
 “似て非ざるモノ”変容したモノ。

駆穂: 「”異端”だと」
駆穂: 「更に言えば”災厄”というべきかな」

駆穂: こつん、と。閉ざされた空間に現れた少年の形をしたモノは告げる。
駆穂: 「この”システム”自体は”使える”者がなくて放棄されていた」
駆穂: 「だからこそ。何も”反応”しなかった。そう──」
駆穂: 「”手”を加えられるまで。そう。君がね」
駆穂: 黒衣の死神は男に告げる。
男: 「―――私が呼び寄せた“災厄”」
男: 「乞われ、繋ぎ合わせて、そして変容した。この姿は…“進化”の一つの形ではある」
駆穂: 「そうだね」
駆穂: 「そして、これが君の方向性か」
駆穂: 音も無く。ただ一歩。
男: 「いや、私の求めている姿では無い。破壊のみの力など、必要は無い」
男: 「故に、“解放”しようと思う。そのために、私は此処に来たんだよ」
駆穂: 「なるほどね。それこそが君の方向性か」
駆穂: では、と。男に向かい合う。
GM: 中央に向かって、なだらかな擂り鉢状に窪んでいるフロア。
GM: キミを見上げ、男は、やんわりと笑みを浮かべる。
男: 「――但し。此は誰かにあげてしまっても構わないんだよ」
駆穂: 「ああ」
男: 「君が買い取るならば、それでも構わない」
駆穂: 「ならそうするかな」
駆穂: 「君がそう望んで。そのように選択するならば」
駆穂: ただね、と。
駆穂: 「僕が誰なのか。はもう知っている筈だ」 ※19
駆穂: 「故に──『選択』するがいい。君は」
駆穂: とん。靴音は小さく。
駆穂: 「僕には君が”これ”以上進まないように『断ち切る』ほか”道”はない」
男: 「残念ながら、私自身は選択を他者に委ねている」
男: 「此の“夜”を止めようとする者達に、ね」
駆穂: じゃあ、と。一息。
駆穂: 「さよならといこう」
駆穂: 「”逢魔刻。─其の炎を見た者は痛み無く天に還る”。──そんな無責任な噂に僕はいる」
駆穂: 「”もう我が身は牙なのだから”」
男: 「“火鷹”という存在は永遠不滅。飲み干してしまうかい? “牙狼の王”」
駆穂: 「永遠など存在しない。そう”彼の人”も言っていた。”火鷹”が知らない訳が無いだろう」
“火鷹”: 「“人”は皆、何処かでそう諦めて言う。永遠など無い…とね」
駆穂: 「そう」
駆穂: 「だが。どこかで誰かは当たり前の不死を生きている。君のようにね」
“火鷹”: 「君の物言いは、まるで人のようだ」小さく息を吐いて、笑う。
駆穂: 「──やれやれ。これは大事になりそうだな」
駆穂: おどけたように肩を竦めて。
“火鷹”: 「大事に考える事は無い。これは“賭け”であり“遊戯”だよ」
GM: 笑む仕草は“先代”に酷似している。
駆穂: 「生憎」
駆穂: 「僕はそんな浪漫のようなモノは持ち合わせて無いさ」
駆穂: 「もっとも”僕の存在”そのものが、”それ”か。──やれやれ。とんだ”遊戯”だ」
駆穂: 向けられた瞳は黄金で。舞う焔も黄金で。どうしようもなく──。
駆穂: 純粋で壊れそうなココロの集合が死神としてそこに在った。

 「始めようか。“我々の子供”――久継駆穂よ」
 「来い、”火鷹”」

 双の牙を手にして。
 ”死神”は”世界”に相対した。



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 DOUBLE+CROSS THE 2nd EDITION
「『Gloria in excelsis deo』黒巣市A.D.2026−Act III」