『Gloria in excelsis deo』 黒巣市A.D.2026−Act III
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 Opening Phase-02 「逢魔刻」
 ScenePlayer:“牙狼の王” 久継 駆穂/場所:スラム/時刻:夕暮れ時/登場:不可

 登場Dice 駆穂: 1d10=(2)=2+40=42

 白霧に浮かび、林立するモノクロの水上都市。
 廃墟を包み隠す霧と、雲と遠くの山の端に陽が落ちて暫くの時間。
 瓦礫と成り果てる一歩手前の区域を覆い尽くそうとする白の向こう側から、
 立て続けに発砲される銃声、怒声と悲鳴が聞こえてきた。

 そして水音。誰かが水に飛び込んだのか、あるいは突き落とされたのか。
 次いで響いてきたのは子供の悲鳴、追いかけて近づく銃声。
 逃げて桟橋を駆け、小走りで近づいてくる小さな足音の主は、小さな悲鳴を漏らして間近のタラップから転げ落ちた。

 ガツン、鈍い音。
 追って、銃を構えた狩人がゆっくりと近づいてくる。
 子供だけではなく。視界にキミの姿を認めた狩人は、その銃口を向けた――


駆穂: 白霧の中。殺意を物ともせず。ゆるりゆるりと死神は歩む。
GM: 倒れ込んだ子供は、死への恐怖のうちに両手でその眼を覆う。
駆穂: かつん。足を止める。
GM: “獲物が増えただけ”――と、狩人が、慢心を込めて放つ銃弾。
駆穂: 音も無く。
駆穂: ”銃弾は硝子の破片となって”白霧の中に消える。
駆穂: ”さて。どうしたんだい。君は”
駆穂: そう告げるかのように襲撃者に視線を向けて。そのまま子供を見下ろす。
GM: 着弾も無く消えた狩人の弾丸。
駆穂: ──警告はした。今の自分には倫理観などは無いが。特定の”ルール”が存在する。
GM: 訝しみ、慌てて装填を確かめて―― 幼子はまだ伏した場所に踞ったまま。
GM: 今度は少女へと銃口を向けた。
駆穂: ──故に警告はした。『必要があればそのモノの排除は一片の慈悲さえも持たず遂行する』
駆穂: 「その引き金を引けば」
駆穂: 「君は死ぬ」
駆穂: 向けた目は黄金で。周囲に舞う炎も澄み切った黄金で。どうしようもなく。
武装者: 「獲物がハンターを殺すか? 笑わせてくれる――死ね」
駆穂: 純粋で壊れる一歩手前。そんなただの死神。
GM: 鋼鉄のトリガーを、軽く引いた。
GM: 彼の目にはただの黒衣の少年に映る、その死神に向けて。
駆穂: かちりという響いた音と共に
駆穂: 引鉄に指をかけた襲撃者の腕が床に落ちて焼けて消える。
駆穂: その焼けた腕から血を伝わって焔が奔る。
駆穂: 死神が手にしているのは刀。
武装者: 「――…?」先のない腕を見つめ、次の瞬間視界に広がるのは焔。
駆穂: 「狩人も獲物も。存在するモノは。皆」
駆穂: 「死からは逃げられない」
武装者: 「――ぅ、あああああああああああ!!!??」
駆穂: 「”我が道の糧となるがいい”」
GM: 上がる絶叫を飲み込む一柱の焔となる。
GM: 跡には何も残らぬ空間。煤さえも残らずに。
駆穂: 「────さて」
駆穂: どうでもいいようにつぶやいて。少女に目を向ける。手には刀。 ※28
少女: 「…………」全身を震わせながらも、そろそろと手を放す。
GM: 恐れと不安の眼差しで、少女はキミを見上げて口を開いた。
駆穂: 「どうやら次は君かな」
駆穂: 淡々と。事実を告げて。
少女: 「……わたしも天国につれてくの……?」
GM: 問う。
駆穂: 「僕はそういう存在らしいね」
駆穂: やれやれ、と肩をすくめて。
駆穂: 「それでも君は天国に行きたいのかな」
GM: 恐れと諦め、そして安堵と憧憬の眼差しを以て。響く声は清しく。
GM: 少女は少し考えて、言う。
少女: 「……みんなのとこに、もどりたい」
駆穂: 「じゃあ行くといい」
駆穂: 「それが君の道なのだから」
少女: 「うん。………天使さんは、どこにいくの?」
駆穂: 手には何も無く。焔も。瞳も。ただの黒。
駆穂: 「”塔”に」
GM: ゆっくりと立ち上がり、擦りむいた膝を払う。
駆穂: 「果てしなく鎖が積みあがった虚像の塔に」
GM: 理解したのかしていないのか、小さく首を傾げて
少女: 「ありがと………う…?」
GM: 感謝の言葉を掛けたかった者の姿は、既に其処には無かった。


 更に深まる夕闇。
 人工の光に照らされて、幻影のように霧の中に浮かび上がる鉄の楼閣
 クロスタワーが此処からだとよく見える。

 あの鉄塔の中からキミを呼ぶ声がする。
 “似て非ざるモノ”の声が。

GM: シナリオロイス、黒巣市orクロスタワーに。
駆穂: じゃあ黒巣市に。■有為 □脅威で。



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 DOUBLE+CROSS THE 2nd EDITION
「『Gloria in excelsis deo』黒巣市A.D.2026−Act III」