『betrayers』 黒巣市A.D.2026−Act III+
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 Ending Phase-02 「共に幾夜を超えて」
 ScenePlayer:“リバース・バレット” ジョン・ドゥ/時刻:30日/場所:UGN支部長室/登場:自由

GM: 九頭竜が姿を消して翌日。
GM: 黒巣湖からは多数の死体が上がっている、ということだった。
GM: 九頭竜が居たせいで、今まで引き上げ作業さえできない状況だったのだが、
GM: 現在進行形で救出、回収、復旧作業を行っている。
GM: 死傷者と行方不明者数は現時点の報告数を更に上回るだろう。

GM: ジョンに撃たれ、湖に落ちた“央 仁次”というFH工作員は、
GM: もう死んだのか。それともまだ生きているのか。
GM: 湖からは、在家歌織の遺体は見つからなかった。
GM: というか――
GM: さっき支部長室に茶を運んで来たのが彼女だった。 ※4
ジョン: おい。(何)
未来: クビにしろよ(何
GM: ジョンもとい芹沢に茶を配り、自らも茶を飲んで、悠々と部屋から出て行った。

GM: ダブルクロスは、まだ居るのかもしれない。
GM: しかし、信頼できる“相棒”が居ることも確かなことだった。
ジョン: 「見舞いに来たぞ!」バターン(何)
ジョン: 手に毒々しい花束と紙袋をぶら下げて支部長代理室の扉を蹴り開けた。(何)
六会: 「うわ……!? あ、芹沢さんですか……驚きましたよ」
六会: 音に、手にしていた湯飲みを取り落としそうになりつつも苦笑して立ち。
ジョン: 「キョキョキョ」とかレネゲイド花の可愛い泣き声が聞こえるかもな。(何)
六会: 「お、お気遣いどうもありがとうございま……そもそも誰が撃ったとお思いですかと」
六会: 苦笑しつつ諌めつつ。先日と同じソファの席を勧め。
ジョン: 「敵を騙すにはまず味方からと申しまして……」(何)
ジョン: とりあえず花瓶に怪しい花を突っ込んでソファーに座る。
GM: 運ぶことがことのほか大変で、それ故、思いやりを試される。そんな花束だった──(何)
六会: 「まぁ、その花束はとりあえずお持ち帰りください」ずずいと花瓶毎押し付けつつ。
ジョン: 「せっかく闇ルートで手に入れたのに。仕方ない、後で副支部長室に置いておこう」(何)
ジョン: 「ああ、これ手土産です。津嶋の家からパクってきたたい焼きですが」(何) ※5
六会: 「あ、これはどうも……はぁ?」出所に些か眼を丸くして見た(何)
六会: 「ともあれ……先日はお疲れ様でした」
六会: 改めて、居住まいを正し、向かいの席で一礼する。
ジョン: 「ま、そいつはお互い様ですな」
六会: 傍らに置かれていた資料の束のひとつを取り上げ、ぱら見した後に差し出して。
六会: 「お陰さまで被害も……小さいとは決して言えませんが、想定よりも低く済みました」
ジョン: 「怪獣大決戦をやって街が吹っ飛ばなかっただけマシ、というところだな」
六会: 「被害が出た以上、そんなことは全く慰めにならないことではありますが……ご協力感謝いたします」
六会: 言い様、片手で眼鏡のずれを直し。
六会: 「……ところで」
六会: 「やはり、こちらに復帰される意思はありませんか、芹沢さん」
ジョン: 「申し出はありがたいですがね」
六会: 眼鏡の奥。困ったように眉を顰めつつも笑う。独特の表情は昔と変わらぬそれで。
ジョン: 「しかし、俺はやはりUGNには居辛いものですから」
六会: 「……そうですね」
六会: 「貴方の立場を慮れば、無理にと言う訳には行きませんでしょう」
ジョン: 「もっとも、それだけでもない。雲隠れしてガキ共の面倒を見ていた時にも思ったんですがね」
ジョン: 「組織から離れてこそ出来ることもある」
ジョン: 「もちろん、組織の中でしか出来ないこともある」
六会: 「そうですね」
ジョン: 「俺は外、貴方は中。そういう形の相棒もありかと思いましてね」
六会: 「芹沢さんは離れて。私はここで。出来ることをする」
六会: 「……お互いに協力しあう。理想的な形の“相棒”ですよ。芹沢さん」
六会: では。と軽く膝を叩き。
六会: 「これからも宜しくお願いします。芹沢さん……連絡先はきちんとお知らせくださいよ?」
六会: 何故か強く念を押された気がした。
ジョン: 「逃げも隠れもしやしませんよ」(何)
ジョン: 「それで、今後ですがね」
ジョン: 「とりあえず公式には俺――つまり、FHエージェントだったジョン・ドゥこと芹沢怜二は」
ジョン: 「今回の件で死んだことにしておいて貰えますか」
ジョン: 「UGNからもFHからも追われる身なんで、少しでも眼くらましをしておきたいんですよエエ」(何)
六会: 「はぁ……解りました。死因はたい焼きに当たってと言うことで構いませんか?」(何) ※6
ジョン: 「もう少しまじめに隠蔽して欲しいところですが」(何)
六会: 「ラーメンでもいいですけど」
六会: まぁその辺は冗談で。と続け。
ジョン: 「後は名前を変えて、探偵事務所でもやろうかと思いましてね。この街なら仕事には事かかなそうだ」
六会: 「それは助かりますね」
六会: 「此方のご贔屓とさせていただきますよ。……料金は特別仕様でお願いします」
六会: ちゃっかりと言ってくる。
ジョン: 「こっちが干からびない程度にはね」
ジョン: 「それではそういうことで。若い連中にもよろしく」ソファーから立ち上がる。
六会: はい。と頷き。此方も立ち上がり。
六会: 「お疲れ様でした。芹沢さん」
六会: 告げて、一礼する仕草は、昔と変わらずに。
ジョン: 「20年か」その姿に、かつての支部を幻視する。
六会: 「20年です。……良くも悪くも、変わらないところと、変わるところとがありました」言葉を取り。続け。
ジョン: 「年は取りたくないもんだな、湿っぽくなる」
六会: 「それこそ……生きていればこそですよ」
ジョン: 「しかしまあ、若い連中がいて、そいつらも必死でやっているわけだ。俺らが楽するわけにもいかんでしょうな」
六会: 「ロートルと呼ばれて切れる程度にはお若いでしょう? 芹沢さん?」 ※7
六会: 言って、笑う。何か聞いた話があったのか。
ジョン: 「まあ、程ほどに頑張るとしますよ」
ジョン: 「歳月が過ぎても姿が変わろうとも、この街は俺たちの街ですからね」
ジョン: と言って後ろ手を振りながら部屋を出て行きましたとさ。

GM: 天候は絶え間なく変わる。
GM: 街の姿も、然り。
GM: だが、この街は此処に在る者達のものであるという事実は揺るぎないものだった。



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 DOUBLE+CROSS THE 2nd EDITION
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