『betrayers』 黒巣市A.D.2026−Act III+
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 Middle Phase-06 「再会」
 ScenePlayer:“逆位置の太陽” 津嶋 皓/時刻:29日夕方/場所:任意/登場:“鉄衣の剣舞” イブ

GM: 登場どうぞ。二人が会話するシーンです。
 登場Dice イブ: 1d10=(7)=7+37=44
 登場Dice 皓: 1d10=(9)=9+36=45
皓: ぬぁ。

GM: イブは竜に襲われ、その後、何処かの路地裏に倒れていた。
GM: たい焼きの入った箱は、かろうじて死守していた。
イブ: 俺えらい(何)
皓: 食べものは無駄にしないんだな。
GM: ──が、何故ここに居るのか。逃げた覚えはあるものの、どうにも何かが腑に落ちなかった。
イブ: 軽く頭を振って。のそりと起きあがる。
イブ: 「…なんだ、っけ……。ここ…。」とりとめもなく呟いて。
イブ: ふらつく足取りで立ち上がると、周囲を見回しながら歩き出す。
イブ: そういえばあの竜はどうなったんだろう。
イブ: 周囲が見覚えのある通りだと分かってくるにつれて、他の疑問が浮上してきた。
イブ: 「たい焼き…そうか。今日は、帰るつもりだったんだっけ……。」
イブ: まだまばらに落ちてくる雨粒に濡れたまま、歩く。
皓: 「……イブ?」その背後。先刻の戦いの、濡れ、草臥れたままの格好で、路地で見かけた知った顔に声。
イブ: 「……?」呆けたような顔のまま、そちらを振り向く。
皓: 「……何だ、まだ配り終えてなかったのか」
皓: 近づき、手に抱えたダンボールを覗き込み、微かに苦笑でその髪をかき回す。
イブ: 「皓…。出かけてたの?」
イブ: 撫でられた髪をのろのろと整え。
皓: 「チルドで箱入りとはいえ、雨の中じゃ駄目になるぞ? ……ん? ああ」
皓: 「呼び出し食らってね」背中越し、親指だけで背後のの川を示す。
イブ: 「じゃあ、皓も見た?さっきの…竜みたいなの。」
皓: 「…………見たよ」 ※41
イブ: ちょっとだけ箱の中身を気にして。皓の姿を今更ちゃんと見る。
皓: 「一本は狩った……それだけだけどな」ふぅ。と小さく滅入り気味な息をつき。
イブ: 「あんなのと戦ったわけ?俺も追いかけられて、ギリギリ逃げたけど…。」
イブ: 「一人じゃとても無理だよ、あんなの。」
皓: 「一人な訳無いだろ……」流石に苦笑して。ぽん。と背中を叩く。前へと促す仕草。
イブ: 「誰か居たんだ。こないだの、雷のにーさんとか?」促されて二三歩前へ出て。
皓: 「……いや、違う」ふい。と眼を逸らし。一瞬言いよどむ。
イブ: 「………。」
イブ: 「じゃあ、あの人だ。“誰でもない誰か”…じゃないの?」
イブ: 様子に、思い当たって口にする。
皓: 「……誰でもいいだろう。おまえさんには関係ない話だよ」否定はせず、しかし其方は見ず。
イブ: 「よくない」
イブ: 「あいつが俺にとってはどういう存在か、皓は覚えてないんだ。」
皓: それを言われれば、改めて傍らの少年に視線を投げ。
皓: 「草川さん……だろ。忘れてないよ、それは」
イブ: 「…いつまで先送りにするの、あいつのこと。」
イブ: 「俺がどういう気持ちで皓にあの場を譲ったのか、皓は全然分かってない。」淡々と呟いて、少し黙る。
皓: 「先送りか……なぁ、イブ」
皓: 「俺は、あの人に会えたのは、やっとここ数か月のことなんだよ。……先送りとか、そんなんじゃない」
皓: 「やっと、手が届く。そんなところまで来れたんだ」
イブ: 「届いて、じゃあそれからどうするつもりだった?どうするつもりで、あいつを追ってきたのさ。」
皓: 「戻したかった」
皓: 「それだけだよ。……手段なんて、考えたことも無かったな」
皓: ふぅ。と。何度目かのため息と共に。
イブ: 「でも、もう考えなきゃ。」
イブ: 「あいつをどうにかするにはさ」
イブ: 「殺すしかないんじゃないの?」見る。感情の見えない冷たい目。 ※42
皓: その言葉には流石に身じろぎ、その眼を凝視。
イブ: 「薄々、分かってるんだろ?」
皓: 「…………やけに噛み付くな、イブ。どうかしたのか?」態と、外れた言葉。
イブ: 「そうやって誤魔化すの、お前は得意だよな。皓。」
イブ: 「でも此処まで来てまだ、まだ誤魔化す気なのか?」刺すように、視線はぶれない。
皓: 「────」
皓: 「……おまえ」小さく、掠れた声で。
イブ: 「殺すしかないよ。それが一番丸く収まる。そうだろ?皓。」口元が笑う。
皓: 「……蒼太、何で、おまえがそんなこと……」
皓: 「何でそんなことをおまえが言い切る、蒼太!?」
イブ: 「さあ、なんでかな。」
皓: 「俺の、僕の前でおまえが誰かを“殺す”なんて、聞きたくない。そんな言葉は……!」
イブ: 「鳥越劉斗、あいつのことはずっとお前のネックなんだろ。」皓を追い越して、先を歩く。
イブ: 「だから、解放してやろうかなあって思ってさ。お互いに。」 ※43
皓: 「解放だって?」
イブ: 「あいつが死ねば、お前も、俺も、イブも。そしてあいつ自身も。」
皓: 「何を……おまえが、何故、そんなことをする理由があるのか?」
イブ: 「“解放”される。」
皓: 「……そんなことは、僕は望んでない」追いつき、前に立ちふさがるように位置を換えるも。
イブ: 「……イブがさ、ごねるんだよ。やっぱり仇討ちがしたいって。」
皓: 「……イブ、が、か?」流石にそれは訊き返す。
イブ: 「“俺たちは”望んでる。」頷く。
イブ: 「“俺がどういう気持ちで皓にあの場を譲ったのか、皓は全然分かってない。”」
イブ: 「全く、その通りだ。」
皓: 「……イブ、蒼太」ただ、その名を呼んで。「ひとつ、訊く」
イブ: 笑みを消して、皓を見る。
皓: 「……おまえ達は、俺を、どう思っている? ──鳥越さんのことは抜きにして……それが知りたい」 ※44
イブ: 「“友人だよ”」
イブ: 「“ただな、皓”」
イブ: 「“『あいつのことを抜きにして』今のお前が語れるか?”」
イブ: 見開いた目でそう言って。
イブ: 「“お前が結論を出さない限り、それは無理だろ。”」皓の横をすり抜けて、歩き去る。
皓: それには、返す言葉は無く。
皓: 止める気力も無く……ただ立ち尽くし、見る。
皓: 「──……っ」姿が見えなくなれば、がりがりと乱暴に髪をかき回し。
皓: 「……今更……何で……何で……まとめて……」
未来: 登場(何)
 登場Dice 未来: 1d10=(9)=9+40=49
未来: ぽん、と。その肩に置かれる手。
皓: 「何で、僕の前に現れたんだ!」ただ、叫ぶ。誰にとも無く。 ※45
未来: 「おーっす、って」いきなりの叫びに。思いっきりびっくりした。豆鉄砲撃たれた鳩の顔で皓を見る。
皓: 叩かれれば、そのままた手を払うように腕を回し。
皓: 「誰だよっ! ……って、ああ……時非君、か……?」
未来: 「……あー、っと。なんだ、どうした。ひっでぇ顔してんぞオッサン」
皓: 取り乱した誰何と、見知った顔に、些か気を落ち着け。
皓: 「何時ものことだよ……何か用でも」
皓: ふい。顔を逸らす。照れ隠しか、ふてくされか。
未来: 「そこらに来てるはずだから、迎えに来いってよ。人使いが荒いな、UGNってのも」
未来: 「それとも、よほどアンタが信用ないのかねぇ」
未来: 逃げ出されるとでも思われてるんじゃねえの、と。からから、と笑う。
皓: 「……後者だろう」
未来: 「ともあれ、だ」
皓: うん? と言葉ではなく、視線を向けることで返事。
未来: 「嫌だっつっても来て貰うぜ。あの“竜”には私怨バリバリなんでな。戦力は1人でも多い方がいいンだ」
未来: わざわざ迎えに来たんだから逃げんじゃねーぞ、と。言外にどころか思いっきり言う。
皓: 「そんなことは言わないよ。俺には“あれ”を潰すれっきとした理由があるからね」
皓: 応え、時非君を置いて行く勢いで歩き出す。
未来: 「んじゃ、取り敢えず。そのひでぇツラはどうにかしておけよ」
皓: 「……」
未来: 「俺だからよかったが、“オトモダチ”に見られたら何言われるかわかんねーぞ」ハン、と。鼻を鳴らして。
皓: 「──今更遅い」友人へ、と言う言葉には顔を向けず、応え。
未来: 「……それはまた、ご愁傷様だな」
未来: 何と返せばいいかわからず。取り敢えず適当に答え。負けるかよとの勢いで歩みを進めよう。
皓: 「時非君」
未来: 「何だよ」まだ、何か用があるのか、と。
皓: 「君には、大事な友人はいるか?」
未来: 「──…」
未来: 「“いた”よ」 ※46
皓: 「……諦めるのか?」言いよどんだその言葉に、何かを察し。振り向いて。
未来: 「まぁ、こっちは“トモダチ”で終わらせるつもりもなかったけどな。どっちにしろ、昔の話だ」
未来: 「で、それがどうかしたか」 軽く。苛立ちの混ざった口調で。
皓: 「昔の話でも何でも……」
未来: 「諦めるも何も。──もう、イネェもんはどうしようもねえだろ」
未来: 「もしも」
未来: 「テメェが、その“大事な友人”とやらと仲違いしてんだったら、さっさと喧嘩でも何でもして仲直りしておくんだな」
未来: 「相手に死なれちまったら、もうどうしようもネェんだよ」
皓: 「……そうだな。俺からも言っておく」
未来: ガラにもないこと話しちまった、とばかりに。
未来: 今度は、皓を置いていくように背中を向けて支部への歩みを進めようとして。掛かった言葉に立ち止まる。
皓: 「俺からも言っておく。大事なら、何が何でも諦めるな。忘れて、見捨てるな。そうでないと……」
皓: 「俺みたいな顔を相手に見せることになる。……後悔するよ。それは大いにね」
未来: 「アンタ、それさ」
未来: 「俺に説教してる様で、自分が言って欲しい事だよな。まぁ、どっちでも良いんだけどな」
皓: 「否定はしないさ」
皓: 初めて、相手に苦笑交じりの笑みを見せ。後は無言で、道の先に歩を向ける。
未来: 「それと言っておくが。まだ手の届くモンまで諦める気はネェよ」
未来: 「少なくとも、“アイツ”と違って、今回のはまだどうにでもリカバリーできるんだ」
未来: 「だからほら、こんな所でグズグズしてねぇでさっさと会議とやらへ出るぞ」
未来: 言うだけ言ったらそれで満足かよチクショウ!と。吐き捨てて後を追おう。



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